柏レイソル vs ヴァンフォーレ甲府

Jリーグのサイトの日程予定に球技場名が「柏」とだけ書かれていたので、てっきり、柏の葉公園総合競技場でやるのかと思い込んでいたら、日立台だった。
調べても詳細は分からないのだが、柏の葉公園総合競技場NECに占拠され、レイソル的には柏の葉公園総合競技場に触れた者は、みな気がふれてしまった。おびえる者たちは詩人を追った(ry

J2から今年昇格したクラブ同士の対戦。
レイソル大津祐樹が怪我で欠場のため、田中順也のワントップで、レアンドロ茨田陽生澤昌克の3シャドー。セレッソ大阪も1トップ3シャドーの布陣なのだが、こうやって見比べると、セレッソ大阪の1トップ3シャドーの完成度の高さに、逆に驚いた。どちらも流動的にポジションが入れ替わるのだが、今日のレイソルは、頻繁に選手同士のポジションが重なる。そりゃ、ボールを受けたい場所はみんな同じなのだから、ポジションが重なるのは仕方ない事、と言いたい所なのだが、今のセレッソはスペースを作る動きをする選手と、ボールを受ける選手が連動していて、あまりポジションが重ならない。
そういう訳で、レイソルは横幅の狭い攻撃になっていた。ただ、ヴァンフォーレ三浦俊也監督の戦術は、一定の距離間に選手を配置する守備陣形をとるので、相手選手に密集されると困る戦術なのではないか?と感じた。
前半39分、ヴァンフォーレのダニエル選手からのロングフィード吉田豊が抜け出した所を澤昌克ペナルティエリア内で倒してPKに。と、真実を隠し続ける新聞には書かれていると思うが、実際は、VTRをスローで観ると、吉田は澤昌克が横から走って来るのを確認し、タイミングを見計らって澤の前に飛び込んでいた。吉田は試合開始早々にも、ジョルジ・ワグネルに押されていないのに倒れていた。ので、吉田の審判を欺く行為に注意を払うように、ジョルジ・ワグネルはチームメイトへ伝えておくべきだった。そうすれば、こんな高い授業料を納めることにはならなかったハズ。いや、ジョルジ・ワグネルなら、きっと、ハーフタイムにチームメイトに言おうと思っていたに違いない。しかし、それは遅過ぎたのだ。神は「正しい者」に微笑むのではない。「正しい者」に微笑んでくれるのは「正しい者」だけだ。神は「やれることをやった者」のみに微笑むのだ。吉田は、やれる事をやり、ジョルジ・ワグネルは、やるべきことを為さなかった。それだけだ。
役者は揃っていた。澤は、吉田が飛び込んで来た時のムササビのようなポーズを繰り返していたが、Jリーグ屈指のエンターティナー家本政明主審に聞き入れられず、PKに。J2からお越しの方に、名刺代わりにイエローカード。このPKをハーフナー・マイクが決めて、ヴァンフォーレが先制した。のだが、同時にハーフナー・マイクにもイエローカード。予想を上回り、期待は裏切らない。それが家本政明
ハーフナー・マイクにとっては、これがJ1初ゴールだったというのは、意外だった。
ネルシーニョ監督は後半開始からいきなり2人を交代。澤に代えて水野晃樹、茨田に代えて北嶋秀朗。ということで、北嶋をセンターフォワードにどっしりと据える事で、各選手の役割をはっきりさせて、選手同士のポジションが重なる事を避けたいのだろうと思った。
後半に入ってから、家本政明主審は急に、ヴァンフォーレの選手が倒れてもファールを取らなくなった。ハーフタイム中の審判同士の打ち合わせで、PKが適切だったか?とか、PKの場面での澤へのイエローカードは、ゴールに向かっていた選手の決定的な機会の阻止に当たるので、提示するのはレッドカードであるべき、とか、耳の痛い事を言われたのかな?と思ったのは、またオレだけなのか?
帳尻を合わせるように、これまでファールを取っていなかったような、ささいな接触で吉田にイエローカード提示。イエローカードは何枚出しても手元から減らないからといって、出し過ぎるとインフレが起こることを、まだ学習していないとは。さすが、予想を上回り、期待は裏切らない。
さらに、ドリブルしていた柏好文を、大谷秀和ペナルティエリア内で両手でつかんで投げ倒しても、謎のスマイルで、注意だけして済ましてしまう。同点になるまでレイソルのファールを取らないと決めたんじゃないか?と思ったのはオレだけで十分だ。
主審が面白過ぎて、選手の事を書くのを忘れていた。
レイソルは後半から、より攻撃的に出た代償として、ヴァンフォーレのカウンター攻撃を受けるようになった。ヴァンフォーレの前半の攻撃はロングフィード1本槍だったのだが、後半は両サイドを崩して、決定的なシュートまで結びつけていた。ボールキープはレイソルのほうが長いけれども、点が入りそうなチャンスはヴァンフォーレのほうが多かった。
水野晃樹はサイドに張るのかなと予想していたら、トップ下みたいな、レアンドロ・ドミンゲスと近い距離でポジションをとっていた。で、そういえば、前半を観ていて、ヴァンフォーレの守備は、相手が密集すると困るんじゃないか?と思った事を思い出した。ネルシーニョ監督は、あえて選手を密集させたのではないか?
後半13分、サイドで張って待っていた酒井宏樹へパスが出た時、ヴァンフォーレの選手は誰も、酒井に守備に行かなかった。ので、酒井から、非常に正確で、スピードのあるクロスボールが入ってきた。守備に行かなかったから、スピードのあるボールを蹴る余裕を与え、スピードがあるのに、正確なコントロールまで与えてしまった。このクロスボールに、ニアサイドでダイビングヘッドをしたのは、田中順也だった。北嶋だと思ったのは、確実にオレだけだ。
三浦俊也監督は、同点とされた直後に、永里源気に代えてパウリーニョを投入。
しかし、レイソルの勢いは止められず、その交代の直後に、ペナルティエリア内でダニエルがクリアする時にコケて、ボールはペナルティエリア内のレアンドロ・ドミンゲスの前に落ちた。レアンドロ・ドミンゲスファーサイドにクロスを上げたかったようなのだが、手前のレイソルの選手の胸に当たった、って思ったら、その選手が反転して意外性のあるシュート。しかも、奇麗にファーサイドに決まり、これは北嶋じゃないだろうと思っていたら、北嶋だった。
後半28分に、フリーでドリブルしていたパウリーニョが筋肉系のトラブルで負傷退場。
その後は、掛け値無しで、22人の男たちが1つのボールを奪い合うだけだった。

いろんな意味で、これぞ、Jリーグ、そんな試合だった。

J2からお越しのお客様、ご注文は「J1昇格」でよろしかったでしょうか?