ACL べガルタ仙台 v.s. ブリーラム

昨シーズンJリーグで惜しくも2位になったベガルタ仙台は、今回が初のACL参戦。つまり、この試合がベガルタ仙台として初めてのACLでの試合となる。
対するタイのブリーラム・ユナイテッドは、昨年もACLを戦い、昨年の初戦は柏レイソルと対戦して勝っている。今年は予選からのエントリーで、オーストラリアのブリスベン・ロアーを下して本大会へと駒を進めてきた。
実はこの2チームは昨年、タイで行われたカップ戦で対戦したことがあり、PK戦ブリーラムが勝ったそうな。

試合会場となるユアテックスタジアムには試合前、雪が積もっていたためボランティアによる雪かきが行われたそうな。
Jリーグの開催時期を秋からにしようという意見をまき散らすだけで、まるで何か世の中の役に立つことをやっている気になっているようなネット弁慶さんたちには、1度でいいから東北へ行って雪かきボランティアでもしてきなよ、と言いたい。かなり本気で言いたい。
炎上マーケティングするなwwww

ベガルタのスタメンは、怪我で上本と鎌田が離脱しているため、アルビレックス新潟から移籍してきた石川直樹センターバックでスタメン入りし、渡辺広大とコンビを組む。石川は柏ユース出身、渡辺は市立船橋高校出身で、国体の千葉代表チームでセンターバックのコンビを組んでいたそうな。菅井も離脱していて、右サイドバック田村直也が入った。東京ヴェルディから移籍してきた和田拓也が左サイドバックでスタメン。角田誠がアンカーの位置に入り、その前で梁勇基と富田普伍がセントラル ミッドフィルダーぽいポジションに。ウイルソンがスタメンから外れて、赤嶺が1人でセンターフォワード、左ウイングに武藤雄樹、右ウイングに太田吉彰。という、今シーズンから初めて使用するACL用の新フォーメーション。
ブリーラムのスタメンには、昨季までカターレ富山に所属していた平野甲斐がスタメン入りしている。

試合開始から、どちらも縦に急ぐ傾向があり、しかも精度が悪いためボールを落ち着かせられないという、ある種、初々しい試合の入りとなった。
ブリーラムの選手はボール際がかなり激しく来ていたが、後ろからチャージをしたようにみえる場面でも、香港人の主審はなかなかファールを取らない。
結局、前半は得点が動かなかった。
ブリーラムは流れの中から得点チャンスを2回作ったが、ベガルタはセットプレーからしかチャンスを作れず、まだ試合の流れをつかめていない感じを受けた。

手倉森誠監督は後半からフォーメーションを4-4-2に変更してきた。梁勇基を右サイドに出し、右ウイングだった武藤をフォワードに移して2トップした。
このシステム変更で、ベガルタは前半に比べ、スムーズにボールが回せるようになった。
後半4分には、赤嶺が前からのチェイスで相手からボールを奪って武藤に決定的なパスを送るも、武藤がシュートミスし、惜しくもチャンスを逃した。
直後の後半5分、ベガルタのカウンターで右サイドから太田吉彰が入れたクロスに、ゴール前で赤嶺がヘディングで合わせようとするもヒットせず、クリアしようとしたブリーラムのDFが慌ててペナルティエリア内でハンドを犯し、PKに。
このPKは梁勇基がコースを読まれるも、相手GKの手を弾いてゴールを決め、ベガルタ仙台が先制した。グラウンダーのPKは芝の状態によってはブレるため、案外、止めにくいらしい。
ブリーラムはこの失点で気落ちすることは無く、後半7分にはベガルタ仙台ゴール前でフリーでヘディングシュートを打つチャンスを作ったが、ゴールの枠内に飛ばすことが出来なかった。
この後、試合はほぼ互角に攻め合ったが、リードしているベガルタから若干余裕を感じた。
後半26分に手倉森監督は赤嶺に代えてウイルソンを投入。赤嶺温存策らしい。
後半29分、ブリーラムコーナーキックから、さっきPKを献上したブリーラムのDFオスマルがヘディングシュートでゴールを奪い同点に。
再び互角な攻防が続いた後の、後半38分に手倉森監督は佐々木勇人を投入。さらに後半43分には中原を投入したが、勝ち越し点は奪えず引き分けに。

手倉森監督がACL用に用意したというフォーメーションが機能しなかったのが、勝てなかった大きな要因だろう。ベガルタは怪我人が多く、新しいことを準備する時間が十分ではなかったという助け舟を出したいところだが、そのフォーメーションが機能するかどうかの見極めを試合前に誤ったのは、やっぱりミスだと思う。