天皇杯全日本サッカー選手権大会 準々決勝 セレッソ大阪 v.s. ガンバ大阪(大阪ダービー)

今シーズン、ガンバはJ1で17位と振るわず、J2に降格となった。
今シーズンの大阪ダービーは、長居陸上競技場では、既に退団したケンペスの決勝ゴールでホームのセレッソが勝利。万博記念競技場では 2 - 2のドローとなっている。この試合で2ゴールを挙げた佐藤晃大は怪我で長期離脱中。一方、同じく2ゴールを挙げた、ガンバ戦にめっぽう強い枝村匠馬はスタメン出場である。
セレッソレヴィー・クルピ監督は今年の契約は12月6日までだったため、既に帰国しており、セレッソS級コーチライセンスを持たない小菊昭雄コーチが指揮を採る。
しかも、1試合目の大阪ダービーで決勝ゴールを挙げたFWケンペスは決定力不足のためシーズン中に契約の相互打ち切り。MFヘベルチJリーグ終戦後に契約を打ち切っている。
いや、そこまでならまだ理解可能なのだが、来季まで契約の残っているブラジル人MFシンプリシオも怪我でもないのに帰国した。どころか、正GKの韓国人選手キム・ジンヒョンまで帰国している。
ということで、今日のセレッソの選手はベンチメンバーも含めてすべて日本人。ただし、フィジカルコーチだけはブラジル人のようだ。

ガンバ大阪のスタメンは、セレッソに昨シーズン在籍していた倉田秋イエローカードの累積で出場停止。遠藤保仁が2列目にポジションを上げて、ボランチ今野泰幸がポジションを上げ、センターバック中澤聡太岩下敬輔のコンビ。GKは藤ヶ谷陽介が怪我で欠場し、武田洋平が4回戦に続いてスタメン出場となった。

試合は序盤からガンバが攻勢に出てボールを支配した。
前半18分、二川孝広のシュートをGK松井謙弥が弾いたところを、最後は遠藤保仁がヘディングで押し込み、ガンバが先制した。
ガンバは先制後はパスを回してボールをキープし、セレッソの反撃を抑えた。

結局 0 - 1 でガンバ大阪が1点リードで前半を終えた。

セレッソは後半開始から、枝村をベンチに下げて柿谷曜一朗をFWに投入し、南野拓実をトップ下に下げ、左サイドハーフだった山口螢ボランチに下げ、ボランチに入っていた横山知伸センターバックに入れて3バックにし、丸橋を左サイドハーフに上げた。これでセレッソのほうが中盤の人数が数的優位に。
セレッソの陣形変更はすぐさま効果を発揮し、後半4分に柿谷と杉本健勇のコンビネーションから柿谷がゴールを挙げ、セレッソが同点に追いついた。
この後はどちらも攻めあぐね、チャンスの回数は少ない。
後半34分、セレッソ丸橋祐介に代えて児玉新を投入。児玉はガンバ大阪ユース出身。
直後の後半37分、松波正信監督は二川に代えて家長昭博を投入。ここからガンバが押し気味になるが、ゴールは奪えず、決着は延長戦へ。

延長戦も、そのままの流れでガンバがボールを支配するも、シュートまではつなげられないようになった。
延長前半8分に、セレッソ南野拓実に代えて播戸竜二を投入。
延長後半3分、家長のスルーパスから加地亮が抜け出してグランダーのクロスを入れ、レアンドロがゴール至近距離からシュートを放つもGK松井の正面。
直後に、松波監督は途中交代で投入した阿部浩之に代えて武井択也を投入。もしかすると、PKのキッカーとしての投入だったのか?
後半6分、ガンバが距離のあるフリーキックを獲得。このFKで遠藤保仁がゴール前を横切るようなボールを入れ、ファーサイドで待っていた家長がヘディングでゴールに叩き込み、ガンバが再びリードを奪った。
このゴールの後、セレッソは反撃に出るもゴールは遠く、追いつけなかった。

これぞガンバのサッカー、とも言うべき中盤のパス回しでセレッソを圧倒した、という試合だった。

試合後、セレッソの小菊コーチは会見で、3バックは練習でもやっていなかったと明かした。
このシステム変更についてガンバの今野は試合後に「3バックになっていたんですか?試合中は全然気が付かなかった」とコメント。。。