天皇杯全日本サッカー選手権大会 準々決勝 セレッソ大阪 v.s. 清水エスパルス

エスパルスユングベリはクリスマス返上で、この試合のために再来日。一方のセレッソマルチネスはブラジルに帰国してしまった。
さらに言うと、清武弘嗣は昨日行われたチャリティマッチに出場を表明していて、播戸竜二はコーチライセンス取得の講習に出席するつもりだったところを西野朗さんに諭されて試合を優先した。
このことから、両チームの選手の、この試合に対する意気込みに差を感じるのは、またオレだけか。

レヴィー・クルピ監督は4回戦でゴールを挙げた村田和哉を先発起用。杉本健勇のワントップ。キム・ボギョンを1列下げて、山口螢とダブルボランチに。酒本憲幸が怪我から復帰して右サイドバックに入り、センターバック上本大海藤本康太の組み合わせ。
エスパルスユングベリ太田宏介が怪我から復帰。高原直泰センターフォワードで、ここ数試合で調子が上がってきた伊藤翔が左ウイング。
前半10分、杉本健勇が左サイドの裏のスペースに走りこんで丸橋祐介からのロングフィードを受けた時、ボスナーがサイドにつり出された。杉本のサポートに来た清武から、エスパルスのディフェンスラインとボランチの間のバイタルエリアでフリーで待っていたキム・ボギョンにパスが渡り、キム・ボギョンが1人かわしてミドルシュート、これがゴール上隅に綺麗に決まってセレッソがあっけなく先制。
前半15分、ユングベリが左太もも裏を痛めて負傷退場。ちょっと強行出場過ぎたのかもしれない。意気込みすぎると空回りすることもあるということか。交代で入ってきたのは小野伸二
前半21分、高原が放ったシュートがペナルティエリア内で上本の手に当たり、PKに。これを小野伸二がきっちり決めて、試合は振り出しに戻った。
思い起こせばセレッソの今シーズンの開幕試合となったACLの初戦でも上本のハンドでPKを献上。Jリーグの開幕戦でも上本のハンドでPK献上。これらは天皇杯決勝で上本が疑惑のゴールを挙げるための伏線である。
どちらも、前線からはボールを持っている選手に守備に行かず、相手が攻撃を仕掛けてきた時に中盤でボールを奪いに行く守備。
エスパルスは攻めあぐねる感じで、チャンスを作る回数は少ない。セレッソはチャンスらしきものは作るけれども、決定的と言えるようなチャンスは少なかった。
前半は1 - 1の同点で折り返した。
後半開始からエスパルスは攻勢に出た。しかし、セレッソのGKキム・ジンヒョンにことごとく跳ね返される。
セレッソはカウンターからチャンスを作るのだが、シュートまでは持ち込めない。
後半30分過ぎから、雨の影響か、疲れか、あせっているのか、ほとんどの選手のプレーの精度が落ちて、ミスが多くなり、お互いのゴール前までボールが行ったり来たりする雑な展開に。
後半終了間際に主にセレッソは連続して決定的なチャンスを作るも、決定力不足でゴールを奪えなかった。
結局1 - 1で後半終了。延長へ。
延長開始時に小野伸二が下がって枝村匠馬が入った。
延長前半2分、ペナルティーアーク付近でパスを受けた清武がドリブルで2人かわしてシュート。これが決まって、セレッソが勝ち越し。
ところが延長前半13分、高木俊幸ミドルシュートが決まって、エスパルスがまたもや同点に追いついた。
延長後半はほとんどの選手のスタミナが切れてグダグダだった。
結局、延長でも決着がつかずにPK戦
PK戦は、エスパルスの7人目のキッカーGK山本海人のキックがゴールポストに当たってゴールを外れ、セレッソが準決勝に進むことになった。

結果論から言うと、ゴトビ監督がコンディションを重視せずに選手を起用したところに敗因があった。
途中交代で入った小野伸二を交代で下げた点と、上り調子の村田和哉に対して怪我から復帰したばかりの太田宏介をマッチアップさせた点。
セレッソレヴィー・クルピ監督は村田和哉に「太田宏介が来たら全部(攻撃を)仕掛けろ」と指示していたとのこと。案外、策士なのである。