ヴィッセル神戸 vs セレッソ大阪

ヴィッセルは9試合勝てていないとかで、和田昌裕監督は大久保嘉人ホジェリーニョをベンチに置き、普段は中盤の底でプレーさせているボッティを左サイドの前目に配置し、ホームゲームなのに守備的に来た。
試合開始早々、松岡亮輔が中盤でセレッソのパスをカットし、右サイドの朴康造に展開。FWのポポがゴール前をニアサイドへ対角線的に動いたことで、セレッソのゴール前がポッカリと空き、パスカットをした松岡亮輔が、そのままゴール前まで走りこんで、朴康造からのクロスをセレッソゴールに突き刺した。松岡はセレッソU-18出身とのことで、古巣に恩返しというところである。
その直後もキム・ジンヒョンボッティにプレゼントボールを贈り、あわやゴールかという場面もあったが、ボッティがシュートを外したので、早々に試合が決まってしまうという興醒めな状況は避けられた。セレッソヴィッセルの前線からのプレスにタジタジで、ボールをつなげず、前半30分を過ぎてもシュートがなかった。マルチネスを出場停止で欠いているのが痛い。
ただ、プレスというのは90分間ずっとやれる戦術でもないため、次第にセレッソもパスが繋げれるようになった。
結局、1 - 0 でハーフタイムを迎えた。
ヴィッセルは後半開始からも、また激しく前線からプレスを掛けてきた。セレッソは、また、ボールを前に運べず、ヴィッセルショートカウンターを受けて後半9分にポポにゴールを決められ、さらに、その3分後に朴康造にもゴールを奪われ、3 - 0 に。
ここで、和田監督は吉田孝行に代えて森岡亮太を投入。大久保の怪我の具合が悪いのだろうか?と勘ぐっていたら、その後に大久保は出てきて、森岡よりも動けていた。
レビー・クルピ監督は、後半開始から中後雅喜に代えて小松塁を入れて、前線に起点を作ろうとしたものの、そもそも、そういうロングパスを出すのは中後の役割なのではないか?と思っていたら、やっぱり、小松へのロングパスは出てこない状態。北本久仁衛の小松へのマークがきつかったこともあるかもしれないが。
前半、倉田秋ヴィッセルの選手からボールを奪いまくったので、倉田秋を守備的な位置に入れたのだと思われるが、それはゴール前に走りこんでいく倉田の持ち味も消してしまう事になった。
3点差になったことで、ホドリゴ・ピンパォン清武弘嗣を下げて、山口螢播戸竜二を投入。これで倉田秋は再び、前目の位置にポジションを移動。采配ミスだったと感じたのだろう。
で、セレッソの攻撃になると、倉田も山口螢キム・ボギョンもゴール前に出てきて、中盤の守備が空いた状態。ヴィッセルの選手はプレスで体力を失っているので、お互いのゴール前からゴール前までを、ボールが激しく行ったり来たりしていた。
セレッソは1点返したものの、PKを献上して 4 - 1の大敗。

この記事の最初に「守備的」って書いた時点では、受け身な印象を持っていたのだが、ヴィッセルの守備はアグレッシブで、その結果、ヴィッセルが試合の主導権を握る事になった。
ので、ヴィッセルの選手が、神戸のサッカーはこれなんだ!という意思統一が出来れば、守備からリズムを作れ、安定した成績が残せると思うのだが、現状は、逆境にならないと、その力が出せない。
あと、プレスは体力的に90分間やれる戦術ではないので、どこかでボールキープが必要になって来る。その為のカードが森岡ホジェリーニョなのだろう。