ポール・ボキューズ

ta-nuki2008-04-02

かつて、国立新美術館ポール・ボキューズ ミュゼがオープンした時に「日本で唯一のポール・ボキューズ」という煽り文句が付いていて、「嘘こけ!梅田大丸にあるやないか!」と思った。
で、「久しぶりに梅田大丸のポール・ボキューズでシフォンケーキを食べたいな」と思って調べたら、梅田大丸のポール・ボキューズは、もう潰れて無かった。ので、大丸各店にブーランジェリーは残っていたものの、確かにその時点ではポール・ボキューズ ミュゼはイートイン付きとしては"日本で唯一のポール・ボキューズ"だった。
勘違いされては困るので付け加えておくと、「リヨンでミシュラン3つ星だろうが、"食の都(もしくは食い倒れの町)"大阪では並みの店以下だった」と言ってポール・ボキューズを貶めているわけではない。梅田大丸のポール・ボキューズのシフォンケーキは絶品で、今でも私の中のスタンダードである。
で、今回、大丸東京店ポール・ボキューズに出かけたのも、そのシフォンケーキを食べたかったからだった。
しかし、新生ポール・ボキューズのメニューにシフォンケーキはなかった。私は、もう一度、あのシフォンケーキを口にする事は出来ないのであろうか。
どうでも良いが、ここの店員が何かと話しかけてくるのがうざかった。私は左耳が聞こえないのに、である。フランスおよびスイスでミシュランの星を獲得しているレストラン数店に行った事のある日本人が「どの店も何かと給仕が話し掛けて来るのがうざい」って言っていたのだが、そんな伝統も一緒に輸入されてしまっているようである。
あと、写真を撮るためにライティングが一番良かったテーブルの端のほうにデザートの皿を移動させて角度を考えていたら、店員が来て、わざわざ中央に押し戻しやがった。仕方がないので、また端に移動させた。
下記の価格は全て税込です。

クレーム・ブリュレ
なんてったって元祖のクレームブリュレである。作り置きしているんだろうと思っていたが、オーダーしてから待たされた時間の長さから考えると、どうもオーダーしてから仕上げをしているらしい。日本でよくある、プリンみたいな形の容器に入って出て来るのであろうと勝手に思っていたところ、直径15cmぐらいのグラタン用の皿みたいなものに、厚さ2cmぐらいに盛られて出てきた(写真)。この形状だと、表面のカラメル細工のパリパリ感が充分に堪能できて嬉しい。クリームには、何でそんなに?と思うぐらいのバニラビーンズが含まれていたのに、そこまでバニラの味が強くないのは謎だった。洋酒の匂いが、さほど強くないのが良かった。950円
ヴァローナチョコレートのタルト フォンダン仕立て
ヴァローナ社というチョコレートメーカーのチョコレートを使ったタルトとチョコアイス。チョコタルトは焼き立てで温かく、給仕が「アイスの冷たさとの温度差をお楽しみください」という。チョコレートは苦味もなく、そもそも"フォンダン"って砂糖混ぜって意味らしいので、アイスもタルトも味覚的には中途半端で、本当に温度差だけを楽しむ一品だった。タルトの土台の柔らかさのみ、特筆に価すると思った。1,500円
苺の軽いバシュラン
レシートでは「ヴァシュラン」となっていた。写真では見えないと思うけれども土台がスフレの焼き菓子。並んでいる苺には苺ソースがけで、バニラアイスが乗っている。完全に苺を楽しむデザートだった。甘くておいしい。1,500円
昔ながらのゴーフル"グランメール"
「ゴーフル」って言われると風月堂のクリームサンドなお菓子を思い浮かべたのだが、出てきたのはワッフルだった。りんごソース、チョコレートソース、生クリームが付く。りんごソースは甘酸っぱく、チョコレートソースは、またヴァローナ社のものらしい。ワッフルは硬くて、パサパサしていた。900円