FCソウル vs 名古屋グランパス

前回の名古屋での試合の時に書くのを忘れていたのですが、FCソウルは、大分トリニータ元監督の皇甫官監督で、ヘッドコーチがジェフ市原(当時)でプレー経験がある崔龍洙元韓国代表選手だった。で、前回の対戦で皇甫官監督が退席処分になって、名古屋は先週、アルアインとの試合があったのですが、FCソウルはその間にACLの試合が無かったので、その退席処分による出場停止がこの試合に回ってきたらしい。(基本、同一カテゴリー内で処分が持ち越されるため、Kリーグの試合があっても、そちらには適用されない)
で、さらに前回書いたつもりだったのに書いていなかったのですが(ぉぃ、皇甫官監督といえばカメナチオ、と思っていたのですが、実際はそうではなくって、FCソウルはアウェーにも関わらず、かなり攻めに来ていた。のですが、やはり、大分時代のクセは残っていて、テクニシャンが好きなんですね。モリナという南米の選手と、ウクライナ代表のジェバロフ選手(アジアカップにも出てましたね)というテクニシャンを揃えて来て、ロングボールを蹴ってくるようなサッカーをしてこなかったのは、ある種、納得。
妄想に入るけれども、ジェバロフからは、この試合に勝つというよりは、この試合でアピールしてJリーグのクラブに移籍したいような、そういうモチベーションが感じられ、前の対戦ではグランパスの失点はFCソウルの選手のロングシュートだった事もあるのかもしれないけれども、前半は、仲間を信じずにロングシュートをたくさん打って来た。

グランパスケネディ選手が怪我、中村直志が腰痛で欠場。永井謙佑のワントップで、吉村圭司が守備的ミッドフィルダーに入って、4-2-3-1の布陣か。ていうか、グランパスの守備的ミッドフィルダーの層が薄いのにびっくりした。
ベテランの吉村が中盤に入ったことで、守備はかなり安定したように見えたが、ストイコビッチ監督は吉村の攻撃の組み立てにご不満な様子で、吉村にボールを散らすように何度か指示を出していたけれども、わたし的には、闘莉王増川隆洋もロングキックはそこそこの精度なので、吉村がデフェンスラインからのボールを受けたら、ワンタッチでリターンして、闘莉王や増川がロングボールで展開したほうが、相手の中盤の守備はボールを受けた吉村に集中するので、逆を突くことになるのではないかと思うのだが。あ、この戦術は1994年にサンフレッチェ広島バクスター監督が採った戦術で、わたしのオリジナルではないです。

試合は、序盤から荒れた展開。闘莉王が負傷退場かと思わせて、そのタイミングで逆にFCソウルの選手が負傷退場に。どうやらFCソウルの選手はレフリーがホームアドバンテージを取ってくれると勘違いしていたようだが、イラン人のレフリーということは反米&親北朝鮮なので、嫌韓国かもしれないという可能性に気が付いていないようだった。あくまで停戦であって、まだ戦争は終わっていないのだよ。
前半25分、永井が左サイドから入れたクロスは距離からして長い、精度の無いクロスだったのだが、FCソウルの選手がクリアしたボールは小川佳純の前に落ち、小川がプロ初先発の吉田眞紀人とのワンツーで抜け出してシュートするも、相手GKに弾かれた。が、そこに詰めた金崎夢生がゴール。名古屋グランパスが先制した。金崎夢生シャドーストライカーとして覚醒したかもしれない。

結局、前半はグランパスが1点リードで折り返した。
で、後半の展開を予想したのだが、後半開始のためにピッチに出て来たFCソウルの選手が、気持ちが一つになりきっていない様子がうかがえたので、最終的にグランパスが勝つのではないかと予想。あと何点入る、というのは予想出来ないが、FCソウルが前半と同じように、自分たちで決定機を決めきれないだろうというのは予想可能なので。
ジェバロフは途中から、荒れた試合展開に怪我を恐れて、攻撃が淡白になった。
後半36分、FCソウルデフェンダーからGKへのバックパスを永井がパスカットし、すごく冷静にGKをかわしてゴールにボールを流し込み、グランパスが2点リード。40分にはストイコビッチ監督はなりふりかまわず、金崎に代えて千代反田充を入れて5バックにして守りに入った。
この頃には、FCソウルの選手が戦う相手を間違えて、レフリーと戦っていた。ていうか、自分に負けていたとも言える。

スコアは2-0で、名古屋グランパスの完勝に見えるけど、私には、FCソウルの自滅に見えた。
得点シーンを振り返ると、FCソウルデフェンダーのミスからの失点だったことが分かると思う。
なので、名古屋グランパスがこの勢いを保てるかどうかの鍵は、自分たちを過信しないことだと思う。「王者の意地」とか「勝者のメンタリティ」とか、変なこと言い出したらダメになると思われ。