うなぎ

ta-nuki2006-10-26

最近の記事ではないのですが、「おしえて!東京、美味しい『うな重』」in大手小町という記事があって、最初は土用の丑までにレポートするつもりだったのですが、「そもそもウナギの旬は夏ではなかったので、夏場にウナギは売れなかった。苦肉の策として、宣伝文句『土用の丑にうなぎ』が作られた」という話を読んで、夏場にウナギを食べるのは止めて、冬にしようと考えていました。が、現在患っている病気に良い食べ物を調べると「うなぎ」とのことで、9/16から本日までにかけて食べまわってきました。
なぜ"B級"なのかというと、山谷重箱(正しい住所は赤坂)には行けなかったからです。
なお、わたくしが関西出身のため、その他の地方の方には役に立たない可能性があります。
「日記なんだから、これまでのカツ丼みたいに日々upすれば?」というご意見もあろうかと思いますが、調査期間がちょっと長すぎて、読んでいる方も「次の店まだ〜?」状態になってしまったかと思いますので、今回は調査日を記載せずに一括とさせてもらいます。
なお、各店の詳細はiタウンページで検索の上、お店にお電話されるほうがよろしいかと思います。
ここから、関西出身の人限定の注意なのですが、

  • 下記の店の卓上にある粉山椒は、やげん掘製のものが大半で、そこいらの製品に比べてかなり香りが強いため、使用量を少量に抑える必要があります。
  • 錦糸丼はありません。

 参考:神田きくかわ 神田店 vs 日比谷店

美国屋
たぶん「日本橋高島屋の横」の店。行列はなかった。「三階建ての建物で、全部うなぎ屋です」と書かれると伊豆榮なみのすごく大きな店かと思いきや、1Fの客席は8席だけという、いわゆるペンシルビルである。元の記事通り、大,中,小ともウナギは同じ品質ということ。焼くときにウナギの脂を落とした形跡があった。タレが、うなぎのタレというよりは、アナゴのタレっぽく、このタレに惹かれている人が多いのではないかと思った。肝吸が付くが、塩っぱかった。
いづもや
たぶん「室町の名店」。ただし、正しい住所は日本橋本石町。ただ、日本橋三越本店(日本橋室町)店内に出店しているので、ここと決め打ち。先斗町の店との関係は不明。うな重は花,竹,菊,鶴というランクがあるが、うなぎの質は同じとのこと。取り立てて書くような特徴はなかったが、うなぎが微かに生臭かった。美国屋の勝ちとしたい。お新香に手をつけずに席を立とうとしたら、咎められたが、スルーした。後でネットで検索したら、どうも、お新香に人気があるようなのだが、うなぎで勝負しろよと言いたい。
石ばし
うなぎは、焼き目が香ばしく、しかしちゃんと蒸せていて、柔らかかった。しかし、焼く時に余分な脂を落とすということはしないようで、脂がノリノリであった。あと、関西人の私には味付けが濃かった。ごはんがもっちりとしすぎていたが、ちょうど新米と切り替わる頃だったので、今回は見逃すことにする。
色川
うな重のランクはうなぎの枚数に比例するだけとのこと。焼き目が香ばしいのが石ばしに似ているが、タレが甘いのと石ばしみたいにウナギに脂がのり過ぎていないので、こちらのほうが上。吸い物はデフォルトはとろろ昆布のもので肝吸いではない。常連客と店主との会話から、下町っぽい雰囲気と、大将の職人気質なところや生真面目さが分かる。11時過ぎから店の前で開店を待っていると、近所の人に「待っている人がいるよ!」と通報され、店の中に入れてもらった。ので、11時半以降に行くように。
初小川
女将が美人という噂は本当。色川から100mぐらいしか離れていないのだが、店の雰囲気が全然違う。居酒屋みたいなお店。色川とはしごしたのだが、それが可能なのは、ごはんの量が少ないから。店員曰く「ごはんの量で勝負するのは牛丼屋のすること」とのこと。肝吸いは+50円。なか卯の味噌汁でも60円するのに。しかも量が多い。うな重も、中:1785円(総額表示)と、高くない。うな重のランクはうなぎ量に比例し、質は同じとのこと。うなぎは、やや硬かった。
前川
色川とは300mぐらい離れている。これまた上記の2店とは違って、料亭のような店。お座敷からは隅田川が見える。女中は着物を着ている。うな重は3465円,3990円,4725円(奉仕料別)の3ランクあり、ランクが高いほどウナギが肉厚になるという。肝吸い、フルーツ(メロン1/8,グレープフルーツ1/8)付き。4725円のものはそれなりに肉厚だった。が、少し蒸しが足りなかった。あと、小骨が気になった。タレはやや塩っぱかった。肝吸いの肝が生臭かった。PM4時以降、奉仕料10%が加算される。
小柳
仲見世ではなく、浅草中央通沿い。これまた上記3店と違って、食堂のようなお店。前川とはしごした。梅,竹,松(2100円)の3ランクあるが、量のみの差で、ウナギの質は同じとのこと。出来は平凡。特にタレが平凡。
八ツ目や にしむら
実は1度行った事があったのだが、その時は八つ目ウナギ重(2400円)を頼んだので。しかも季節外れで冷凍ものの八つ目ウナギだった。ヤツメウナギの季節は9月からなのだそうだが、今年は不漁で、9月に2回届いたほかは、10月中旬までまったく入荷していないそうな。冷凍ものの在庫も尽きていた。ちなみにヤツメウナギは蒸さないそうだ。昨年改装したそうで、小さっぱりした店に変わっていた。うな重は中(2200円),上(2700円),特上があり、中と上ではウナギの肉厚が違うが、上と特上は量が違うだけとのこと。肝吸い付。うなぎは、店頭で焼いているものから持ってくるので、すぐに出てくる。上はそこそこ肉厚だった。が、小骨が気になる。タレがだめ。醤油、みりんのアルコールを飛ばすという手間をかけていない。
伊豆榮
店員は着物を着ている。梅,竹,松,特(3150円)というランクがあり、上のランクに行くほど、うなぎは肉厚になるそうな。特は、結構肉厚だった。が、うなぎがパサパサしていた。蒸しすぎである。あと、ごはんがダメ。炊く前に充分吸水させていないようだ。
柏家
この店に行って見ようと思ったのは、池之端には上記の伊豆榮と、かめや(一睡亭)という有名どころがあるにもかかわらず、無名のこの店を挙げていたから。伊豆榮とはしごした。西荻窪に支店があるらしい。梅,竹(2000円),松,特という、どこかで見たようなランクがあり、うなぎの量は違うが、質は同じとのこと。肝吸い、ミニサラダ付。伊豆榮のような欠点はなく、後述のつきじ宮川と同等。よって、池之端最強と認定する。
川甚
料亭。運がよければ、座敷から矢切の渡しが見える。柴又では、うな重に付くのは「鯉こく」という、鯉の味噌汁がデフォルトらしい。これが関西人の味覚には濃い。うな重(特上:2520円)は平凡。
柴又 宮川
都内だけで宮川という名前のうなぎ料理屋が50軒以上ある。蕎麦の更科みたいな状態である。この店は1994年開店。しかも、帝釈天参道から外れている。はっきり言って無名である。この店、不定休なので、事前に電話で「今週、お休みの日はありますか?」と尋ねたところ、「わかんないです。なにせ決まっていないので」と返答された。おまえはその名も偉大なカメハメハ大王か。料理を待っている間に数件、電話で注文が入っていた。どうやら近所の人からのようだが、柴又にうなぎ料理屋は何軒もあるのに、である。どうやら、店主は周辺住民からの売り上げだけで充分食べていけるので川甚のようなビルを建てるという野心もなく、現状に甘んじているようである。うな重は、上(2100円)と特上があり、うなぎの肉厚が違うらしいのだが、その日は「特上用のうなぎが仕入れられなかったので、特上はないです」。しかし、"上"でも今回調査中、3番目の肉厚さ。しかも、とろけるように蒸されていて、今回調査では最上の出来。しかし、うなぎ自体の味は問題ないのであるが、ご飯にかかったタレに、変な酸味がある。ここがポイントで、実は、電話注文はすべて蒲焼だったのだ。ので、蒲焼最強に認定するが、うな重最強には認定しない。吸い物はマツタケで、肝吸いではない。
つきじ 宮川本廛
イ(1785円),ロ,ハというランクがあるが、大きさが違うだけで、うなぎの質に差はないとのこと。店内は薄暗い。肝吸いは+210円。うな重は平凡。隣のテーブルの、名古屋から来たらしい客が「ちょっと硬いね」と言っていたが、これぐらいが平均的だった。
尾花
11時30分開店時に30人の行列。他の客が「いつもこんな感じ」と言っていた。店内に入れるのは40名程度で、後は店外で行列。店内は神棚のある大広間が1つあるだけ。偏狭な宗教の信者は注意すべし。改装直後だったので内装は前川より綺麗。だが、窓から見えるのは隅田川ではなく常磐線・・・。店員は割烹着を着ていた。うな重は2500円,3000円,3500円の3ランクあり、高いほど肉厚になる「ので、当然、脂ののりが違います」と、店員が小声で教えてくれた。いや、脂は焼く時に落とせよ。肝吸いは+300円。鯉こくは900円。鯉こく高い。「調理に40分かかります」と言われる。隣のテーブルの客が、う巻きを頼んだらすぐに出てきた。そのウナギはいつ焼いたのかと思った。最初の客にうな重が出てきたのは12時15分。11時30分に店内に入れなかった客が店に案内されたのは12時30分である。3500円のうな重のウナギは、今回調査で一番肉厚だった。ちゃんと蒸せているが、脂はのったままである。生臭かった。
野田岩
店員は着物を着ていた。事前の調査で、うな重のウナギより、「志ら焼」のウナギのほうがおいしいとの情報をゲット。店に行って判ったのだが、うな重のウナギは養殖で、志ら焼のウナギは天然だからだそうだ。ので、志ら焼(2500円:税、奉仕料別)と「中入り丼(3500円:税、奉仕料別)」を頼んだ。ここまで触れずに来たのですが、関西でうな重、うな丼の特上を頼むと、ごはんの中にもウナギがある場合が大半なのですが、東京ではそういうことはなく、別途、中入り丼というメニューがあります。関西でそういう風習があるのは「まむし」の名残と思われます。志ら焼は、白焼きなのですが、保温器に入れられてやって来ます。岩塩、または、わさび醤油で食べるように店員から言われますが、何もつけなくても食べれます。まったく臭みがなく、うなぎが白身魚であったことを思い出させてくれる味です。それなら鱧を食べるよ!です。中入り丼は、ウナギの身が薄く、タレの味が塩っぱくって、ハズレでした。奉仕料は常時10%加算。クレジットカードで支払いをしたところ、IC対応のカードでサイン不要なのに、女中さんに「(この下手クソな字は)なんと読むのか」と執拗に聞かれました。ブラックリストに載せるためだと思われ。二度と行かないので、そんな必要ないのに。
神田川本店
神田川俊郎とは無関係らしい。正しい住所は外神田。つまり、秋葉原である。個室7部屋のみ。私が通された部屋は、机がボロかった。女中さんは袴をはいていた。うな重は3360円,3990円(税込,サービス料別)があり肝吸いは+630円(税込,サービス料別)、その日は天然もの(時価)の入荷があり、肝吸い付で6000円(税別,サービス料別)だった。数日前の病院の診察料が7000円超、薬も4000円弱だったので金銭感覚が麻痺していたのか、天然ものを頼んでしまう。一人で個室で後悔しながら待つこと40分、女中さんがやって来て、お茶だけ替えて帰った。その5分後にうな重登場。女中さんが「うなぎが分厚すぎて、お重のふたが閉まらない」と言って持ってきたのは2cmはあろうかという、今回調査では2番目の肉厚。肝吸いの肝は、全長5cmに及ぼうかという特大である。うなぎはちゃんと蒸されていて、脂も落とした形跡がちゃんとあった。サービス料は15%加算である。

結論から言うと、病気治ってないやん!平賀源内、放課後に体育館裏に来い。死ぬまで殴ってやる(もう死んでるって・・
まぁ、こういうリストを作ると、読んだ人は結局、自分で走破したくなると思うし、やっぱり味覚は人それぞれ、人生いろいろ、、、