今日、都内で電車に乗ったら、その車両は意外に空いていて、やや綺麗な30歳手前ぐらいの女性が7人掛けのイスの中央にただ一人だけ座っていた。
私はその女性の斜め前の席に座って、中吊り広告を読んでいた。
次の駅で、60歳前後の白髪のオッサンが乗ってきて、ガラガラの車内なのに、その女性のぴったり隣に、しかも半身の体勢で、体を半分女性のほうに向けて座った。
しばらくして、そのオッサンが意を決したように自分のひざに手を置いて上体を起こしかけたその瞬間、女性が咳払いをした。
その咳払いでオッサンは完全に出鼻をくじかれ、許しを請うように手を組んで、クネクネし始めた。かなりキモチワルイ。
そもそも、そんなオッサンが急に隣の席に座ってきたら、普通の女性ならその時点で席を移ったりするわな、と考え始めると、その女性は最初から、その変態オヤジを簡単にあしらえると判断していたのではないかという結論に至った。
その女性が水商売の人なのか、レディース上がりなのか、何者なのかは分からなかったが、その海千山千ぶりに驚くと同時に、世の中の広さを思い知りました。