川崎フロンターレ vs ベガルタ仙台

フロンターレ前の試合で、縦への速さを見せた。ベガルタも縦に速いのだが、アウェーということで、ベガルタ手倉森誠監督が守備的に臨んで、フロンターレの縦へのスペースを消すような戦術を採った場合、ベガルタのカウンターがハマる可能性があるので、序盤はそんな展開になることを望みたい。
終盤は、お互いの選手のスタミナがガス欠して中盤の守備が機能しなくなって、カウンターからのカウンターの、さらにカウンターみたいな、スリリングな場面になると予想しました。
フロンターレジュニーニョがまだ怪我で、山瀬功治がFWでスタメンに入った
試合は、予想通りカウンターの応酬で、相手ゴール前から相手ゴールまでの展開が速い、スリリングなゲームになった。
前半37、それまで左サイドにいた山瀬功治がこの場面では右サイドを崩してドリブルでペナルティエリアに侵入し、マイナスに折り返すと、そこに、山瀬と同様に今季から横浜Fマリノスから移籍してきた田中裕介が走り込んでシュートを打ち、フロンターレが先制。ちゃぶられた。
後半は守るフロンターレと攻めるベガルタという構図で、後半28分、太田吉彰がスライディンしながらも足は振るというシュートを決め、ベガルタが試合を振り出しに戻した。太田はそのまま負傷退場し、代わりに富田晋伍が入った。
試合後の手倉森誠監督のコメントによると、私が試合前に予想したような中盤の守備が緩くなるような状況にしないために守備的ミッドフィルダーを入れたとのこと。
こうなると、フロンターレも攻めに転じざるを得なくなり、真打ちジュニーニョ登場。
フロンターレジュニーニョ投入から10分ほど猛攻を見せたが、逆に、これをしのいだベガルタが相手ゴール側のコーナーフラッグ近くで直接フリーキックを得、このセットプレーの梁勇基のキックに鎌田次郎がヘディングで合わせてゴールを奪い、逆転に成功した。

鹿島アントラーズ vs 横浜Fマリノス

アントラーズのホームゲーム扱いなのだが、カシマスタジアムが震災から復旧していないとのことで、前の試合同様、東京国立競技場で行われた。
アントラーズはスタメンにカルロンが戻ってきた。で、フェリペ・ガブリエルの代わりに遠藤康が入っていた。フェリペ・ガブリエルはここ数試合、得点シーンに絡んでいたので、ちょっと残念だ。フェリペ・ガブリエルは昨年よりチームにフィットしていると思う。ていうか、前回も書いたのだが、アントラーズのケガ人が多いのはフィジカルの調整が上手く行っていないのではないか。今、思えば、昨シーズン終盤にオリベイラ監督が「本山選手のようなチームにとって重要な選手が、怪我のためにシーズンを通して活躍出来ないのは残念」とコメントしていたが、あれは、暗にフィジカルコーチを批判していたのかもしれない。
かなり大粒の雨が降っているのでロングパスは精度を欠くかもしれない。
マリノスの黄色いユニフォームって、目がチカチカすると思うのは、またオレだけか。
アントラーズ前の試合で、試合の入り方が悪かったんじゃないかと書いたのですが、今日は、いきなり相手陣内に押し込むように試合に入った。が、それが逆に、マリノス水原三星ほど手強い相手だと思っていないという慢心にも見えて、微妙な気がした。
で、マリノスが、いきなり開始2分でその勘違いについて全力で突っ込みを入れたとしかいえない得点。
横浜Fマリノスデフェンスラインからの、誰かに合わせるでも無いロングフィードを、中田浩二がヘディングでアレックス(ジェフ千葉から新加入)にパス。そのパスを、なぜかノールックでアレックスが青木剛にパスした所、小椋祥平が背後からそのパスをかっさらって、そのまま抜け出してシュート。シュートは中田浩二に当たってコースが変わってゴールに吸い込まれた。
アントラーズからすると事故のような失点と思ったかもしれないが、アレックスの注意不足から起こった、ミスによる失点なのだ。
マリノスの中盤の守備は、足を出してボールをガツガツと奪う、というACLレベルの激しい守備で、谷口博之が入ったことでそうなったのか?と思った。河合や松田直樹の頃は、相手に体を付けて、相手のボールのコントロールを自由にさせない守備だった記憶が。と思いながら見ていると、マリノスはいつのまにか全員守備状態に。前半から1点を守って全員守備って、どんだけ。精神的に1試合ずっと守備なのはキツいだろうし、1人ぐらいは前線に置いておかないと、押し込まれたままになるんじゃないかと思った。いや、実際に、かなり長い時間押し込まれたままだった。
が、マリノスが1点のリードを守りきって、ハーフタイムに。
後半開始から、奥野僚右監督代行はカルロンに代えて大迫勇也遠藤康に代えて本山雅志を入れて来た。遠藤康は球離れが遅くてマリノスの守備の餌食になっていたので納得だが、自分だったら、伊野波か増田をサイドバックに入れて、アレックスを中盤に上げて攻撃に専念させるかな、と考えた。
大迫は左サイドから何回も突破して、スタメンに入れていれば良かったのにと思わせた。
失点のきっかけを作ったアレックスはやはりチームに迷惑をかけたという考えもあるのだろうが、予想通り攻撃に重心を置いて、守備に戻らなくなり、野沢拓也や青木や中田浩二がアレックスの守備をカバーする場面が出て来て、これはさらにチームに負担をかけている事になっているんじゃないか?と思った。
後半15分に、木村和司監督は渡邉千真に代えてキム・クナンを"守備的"FWに投入。本気で1点を守るつもりである。
後半30分、マリノスコーナーキックのチャンスに中村俊輔が蹴ったボールをキム・クナンがヘディングシュートするも勢いが無く、アントラーズデフェンスにヘディングでクリアされたが、そのこぼれ球に素早く栗原勇蔵が反応して蹴り込んだボールはクロスバーの下に当たって、ゴール内に入った。木村監督の采配が当たった事になる。
2失点目の直後に4本続けてコーナーキックを得たアントラーズだったが、飯倉大樹のファインセーブにゴールを阻まれた。この後、ゴール前を固める黄色い人垣をアントラーズは崩せなくなった。
後半ロスタイム3分、アントラーズの最後のチャンスと思われた瞬間に、まさかのパスミスから逆にマリノスのカウンター。マリノス長谷川アーリア・ジャスールキム・クナン栗原勇蔵という、微妙な組み合わせの3人に対し、守るアントラーズ中田浩二一人だけ。長谷川アーリアジャスール栗原勇蔵に送ったパスを、何とか間に合った野沢拓也が足を出してカットするも、そのボールは無情にもアントラーズゴールに転がり込んだ。

マリノスは昨シーズンというか今シーズンに向けて、大量解雇を行ってサポーターからつるし上げを食らったので、私たちが思っている以上に木村和司監督は腹をくくっているのではないか。1敗も出来ないような覚悟で試合に臨んでいるのだな、と思った。